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もし地震とかで被災したら、僕は生きていけるのかな…?
色々な支援があるから大丈夫だよ!
だけど、自分で申請するものがほとんどだから、知っておくといいかもね。
日本は災害大国ですから、いざというときの被害に対する不安があるでしょう。
最近は水害も多いですし、地震との縁も、切っても切れない関係ですからね。
ですが、そんな日本だからこそ公的支援もたくさんあります。
いざというときが来ても幸せな暮らしを続けられるように、この本で知識をつけてみてはいかがでしょうか?
概要
本書はファイナンシャルプランナーであり、社会福祉士でもある清水香さんにより書かれた本です。
2019年に小学館クリエイティブから発行され、小学館から販売されています。
全95ページと薄くてイラストも多く、本を読まない人でも抵抗感が少ないと思いますよ。
前半は赤と黒の2色刷り、後半は緑と黒の2色刷りで、被災者の声も吹き出しで書かれており、読みやすいデザインとなっています。
この本で学んだこと
家を建てる前に
地震保険は理解している?
本書を読んで思ったのは「地震で住宅が壊れると、生活の再建が苦しそう」ということでした。
例えば地震保険は、火災保険金額の30~50%、かつ1000万円までを上限として加入します。
火災保険が、その家を建て直すのに必要なお金をくれるとすると、地震保険では家を建て直すのに必要なお金の半分しかもらえない、ということですね。
加えて、上限が1000万円なので、火災保険が2000万円以上の方は半分ももらえないわけです。
他にも、事業用の建物(事務所・店舗)は保険対象外ですから、自営業として店舗や事務所を持っている人はより打撃が大きいですね。
地震に備えてミニ保険を追加する、というのも手ですが、保険にお金をかけすぎて手元のお金が無くなってしまうのも困ります。
家を建てる場合は、万が一のことも考えてみてくださいね。
家の引き渡し1時間後に津波で家が流される、ということも可能性としてはありますから。
ローン&家賃となる可能性
地震保険でもらえる金額が、火災保険よりも少ないということは説明しました。
家がなくなってしまった場合、賃貸住宅等に住むことも考えられますよね。
賃貸に住む場合はローンの返済&賃貸住宅の家賃となり、家計が非常に厳しくなることが考えられます。
震災後に一時的に暮らす仮設住宅は無料のようですが、ある程度したら出ていくことが基本です。
平常時に返すのがやっとの住宅ローンを長期で組んでしまうと、いざというときに苦しい思いをしてしまうかもしれません。
住宅を買うときには、ローンの組み方に気をつけてくださいね。
再発行できない土地の権利書
運転免許証やパスポートなどの本人確認書類は、再発行ができます。
災害でなくしてしまった場合は、紛失届を出して再発行手続きを行ってくださいね。
なお、銀行の窓口であれば、キャッシュカードや通帳がなくても、本人確認さえできればお金は下せます。
他にも、健康保険証や年金手帳・年金証書、印鑑登録証も手続きを行えば再発行ができます。
しかし登記識別情報(旧 登記済証(※権利書))は再発行できません。
言い換えれば、あなたが土地を持っていることを証明してくれる書類は再発行できないんです。
もちろん、土地を持っている権利がなくなるわけではありませんが、今後の手続きが難しくなったり、不正登記の心配もあるかもしれません。
何か心配事があれば地方法務局・支局・出張所に相談に行きましょう。
お金のこと
猶予をもらえるお金
住宅ローンか奨学金、もしくはその両方を返済している人も珍しくないでしょう。
保険料の払い込みや税金、公共料金の支払いもあります。
被災しても支払わなければいけないお金は発生し続けます。
しかしながら個人だけでなく会社が被災してしまった場合、職を失う可能性もあるでしょうね。
そこまででなくても、給料の支払いが滞る可能性も考えられますね。
このような場合でも、いつも通りに返済できますか?
厳しい場合は「り災証明書」を持って各種窓口に相談してみましょう。
住宅ローンなら借り入れ金融機関、奨学金を貸してくれている機関、などですね。
返済猶予などで当面の返済を待ってくれるかもしれません。
正規の手続きをすれば、ブラックリストにも乗りませんし、延滞利息も不要となるようですよ。
もらえるお金
被災した場合、いくつかもらえるお金があります。
「被災者生活再建支援法」による制度では最大300万円もらえます。相談先は市町村ですよ。
他にも、市町村が独自で追加の制度を設けているかもしれませんから、聞いてみましょう。
もしも災害で家族が亡くなってしまったら「災害弔慰金」ももらえるかもしれません。
家族が生きていてくれることが一番ですが、もしも不幸があった場合は、生活に困らないように活用したい制度ですね。
また寄付された義援金も受け取れるようですよ。とはいえ、公平に分配するために時間がかかるそうですよ。
借りれるお金
手持ちの資金や上記のもらえるお金でも足りなかった場合は、国の制度を使ってお金を借りることもできます。
利率はカードローンなどより低いですから、どうしてもお金に困る場合は検討してみてもいいかもしれませんね。
しかし、もらえるお金ではありませんから、返済が必要です。
その場しのぎのお金にしないよう、少しずつでいいので前に進むために使いたいお金ですね。
被災時の日常的支出
被災して避難場所に行くと、食料にお金は使わないで済むようです。配布されますからね。
とはいえお店などでお金を使うこともあるでしょうから、おつりが準備されてなくても困らないように、小銭を持っておきたいですね。
避難所に多くのお金を持っていくと、盗難のリスクもありますから、十分注意してください。
停電さえしていなければ、クレジットカードやQRコード決済などもできますからね。
覚えておくべきこと
困ったら弁護士に相談
被災地の弁護士会が、被災者のために無料で法律相談に応じてくれることも多いようですよ。
実際に津久井進さん、という弁護士さんはこのようなことをおっしゃってくれています。
法律相談というと、「こんなことで相談してもいいのかな?」と二の足を踏んでしまうと聞きます。しかし、暮らしの困りごとの相談という感覚で気軽に来ていただきたいです。
清水香.どんな災害でもお金とくらしを守る.小学館クリエイティブ,2019,52
もらえるお金や借りれるお金など、あるとわかれば安心ですが、実際に被災したときには、何がもらえて、どうやって申請するか悩みそうですよね。
ですから「困ったら弁護士に相談する」と覚えておくといいと思います。
り災証明書の申請
被災したことを証明するためには「り災証明書」が必要となります。
被災者が申請をして初めて、市町村の担当者が調査を開始します。
ですが、災害時は多くの人が申請しますから、すぐ来てくれるかわかりませんよね。
家に住めそうであれば、自分で軽く修理したり片付けて住み続けるかもしれません。
しかし、その前には被害状況を示すことができる写真を撮ることを忘れないでください!
しっかりと被害状況を記録に残した後で、家の片づけや修理を始めてくださいね。
まとめ
被災してしまっても、賃貸住宅だったり、借金がなかったりすれば、生活再建は自力でできるかもしれません。
しかし、持ち家が倒壊してしまい、ローンが残っている状態などは、生活が非常に難しくなると思いました。
そんなときは専門家である弁護士に相談してみてくださいね。
被災時に最低限覚えておいてほしいのは「弁護士に相談」と「り災証明書の申請」の2点かな、と思いました。
被災者の生の声や、色々な制度が細かく載っているので、興味がある方はぜひ本書も読んでみてください。
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