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楽な子育て方法が見つかも?「フランスの子どもは夜泣きをしない」を読んだまとめと感想

  子育て・健康等  
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日本では「赤ちゃんの夜泣きは仕方のないこと」とされつつ、苦しんでいる人が多いイメージです。

しかしフランスでは赤ちゃんは夜ぐっすり眠ることが当たり前。夜泣きなんてしません。

フランスの子どもたちは萎縮しているわけでもなく勝手に「育てやすい子」に育つようです。

子どもが幸せに、そして親も楽に子育てができるのであれば、それは一番ではありませんか?

ぜひ本書で、フランスの子育てに対する考え方を学んでみてください。

概要

アメリカ生まれでフランスとは縁のなかった著者(女性)と、イギリス人でパリ在住の男性が、フランスのパリで子育てをするお話です。

本書を読んでいると、アメリカでは日本と同じような悩みを抱えている女性が多いようですね。

夜泣きをしたり、食べ物を投げたり(英語のタイトルは「French Children Don’t Throw Food」でした)。

そんな著者がフランスで母親となり、フランスの子どもたちのマナーの良さの要因を探していくお話です。

2014年に集英社から出版され、体験談だけでなく60を超える引用文献を用いながら解説してくれますよ。

フランスの子どもたち

フランスの子育てについて著者が興味を持ったのは、娘さん(ビーン)が1歳半くらいの時の旅行中に目にした出来事でした。

次のように書かれています。

ビーンと同じぐらいの月齢のフランス人の子どもが、満足そうにハイチェアに座って食事が来るのを待ち、魚を食べ、さらに野菜まで食べている。金切り声もぐずる声も聞こえない。全員がフルコース料理をひととおり食べ、テーブルのまわりにはなにひとつこぼれ落ちていない。

(中略)

あちこちで目にするフランスの子どもは、びくびくしているようには見えないからだ。子どもたちは活発で、好奇心旺盛で、おしゃべりだ。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 10-11

いかがでしょうか?

1歳半の子どもを連れて、優雅にフルコース料理を堪能できる子育て、憧れませんか?

もちろん、子どもが委縮してしまっていたり、おびえていたりして、ではなく、子ども自身がおとなしくすることを選択した結果で、です。

他にも、公園でかんしゃくを起こす子どもがおらず、夜泣きも基本的には生後6週間までの出来事です。

子どもを叱ることなく、このような子育てができるのであれば、取り入れてみたいと思いませんか?

著者が調べたフランス人は、どのように子育てをしているのか、ぜひ本書で学んでみてくださいね。

フランスの子育て

まず大前提として、フランス人の子育ては「ゆる~く」「なんとな~く」で行われていると考えてください。

個人差がありますから、できなくても、うまくいかなくてもいいんですよ。

あくまで子育てのやり方の1つ、として考えてくださいね。

赤ちゃんを信じる

フランスでは「しつけ」に対応する単語はないようです。

子育ては「しつけ(discipline)」ではなく「教育(éducation)」をしている、という認識のようですね。

どれだけ小さな子どもでも、いろんなことが理解できると考えているからです。

例えば多少のフラストレーションは赤ちゃん自身で解決できるはず、

家族にもそれぞれの生活があり、四六時中赤ちゃんにかまっていることはできないということをわかってくれる、

赤ちゃんのゆっくりしたペースで学習していけば十分、などです。

赤ちゃんができると信じているからこそ、知らないことを教えるだけで十分、という考え方なのかもしれません。

もちろん、「今は従うべき」というときは、きっぱりとそのように対応するそうですよ。

「規律」を守り、その中で「自由」がある、という考え方の「規律」を教えている、ということですね。

日本もルールがありますから、フランスの子育て方法は日本社会とも相性がいいかもしれません。

夜泣きへの対応

赤ちゃんは未熟で、まだ睡眠サイクルも自分で学習できていません。

ですから、夜に起きてしまうことに関しても、「睡眠サイクルを学習している途中」と考えて、学習の邪魔をしないようにしています。

少しだけ待って、どうしても赤ちゃんが自分で睡眠サイクルに戻れない、強く要求してきていると思ったら、そこで初めてあやしたり、ミルクを与えます。

こちらの記事で紹介した本でも、未熟な赤ちゃんは、起きているように見えても実際は寝ているときがある、と書かれています。

夜中に赤ちゃんが目を開けて動いたりしたらあやしたくなるかもしれませんが、ぐっとこらえて、赤ちゃんが自分で再び寝られるか、観察してみてください。

本書で取り上げられた著者の知り合いは、5分~10分くらい様子を見ていたようですよ。

こうして見守ってあげることで、自分で再び眠りにつける赤ちゃんも少なからずいると思います。

なお、これは早い段階で行うほうが効果が高いらしいです。

とはいえ新生児はまだ準備ができていないので生後数週間たったころからのようですね。

そうすると、フランスでは生後6週間まで、遅くても生後6か月までには夜ぐっすり眠ることを学習する子がほとんどだそうです。

フランス人の親にとっては、夜寝ることを教えるのは、手洗いや歯磨きの方法を教えるのと同じことのようですね。

とはいえ、個人差もあるでしょうから、うまくいかなくても自分を責めないでくださいね。

食事との関わり方

食との関わり方も、本書のメインテーマの1つでしょう。

なぜなら英語のタイトルは「French Children Don’t Throw Food」(直訳:フランスの子どもは食べ物を投げない)ですからね。

フランスでは生後4か月くらいから、食事の時間は午前8時、正午、午後4時、午後8時あたりの4回となるらしいです。

どうやってこのリズムにしているのでしょうか?

著者は、フランス人の親が意識せずに行っている当たり前の習慣に気づき、次のように記しています。

その一。生後二か月ごろから、赤ちゃんは毎日、だいたい同じ時間に食事をさせる。

その二。赤ちゃんの食事は、少量をちょこちょこ与えるのではなく、一回の量を多くして、回数を少なくする。

その三。赤ちゃんは家族のリズムに合わせるべき。

この三点だ。

赤ちゃんにスケジュールを押しつけないのは事実だが、三つの決まりごとを守ることで、赤ちゃんを少しずつ誘導していたわけだ。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 97-98

フランス人はこれを「なんとな~く」のゆるい気持ちで行っています。

赤ちゃんが待てそうだなと思ったら、少しずつ食事の時間間隔を延ばしていくのでしょうね。

そしてお腹がペコペコになったときに、今しか食べられない食事が出てくるから、投げずにおとなしく食べるのかもしれません。

フランスの離乳食

日本では離乳食の本を見ると、「10倍がゆ」からスタートするものがほとんどではないでしょうか?

しかし、フランスの離乳食の始まりは全く違います。はじめのころから様々な野菜を与えます。

それはフランス人の親は、次のように考えているからでしょう。

子どもに味の好みがあるのは当然としても、すべての野菜に豊かな味わい深さがあるので、その愉しみを子どもに伝えるのが、親の仕事と考えているのだ。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 177

そして食材の味は調理法によっても異なりますよね?

ですから様々な調理法(例えば蒸す、焼く、味付けをしなかったり、ソースをつけたりなど)で与えてみることを推奨しています。

また、会話も重要だと、次のように書いていますよ。

食材について「好き」か「嫌い」か以上の話をすべきなのだ。たとえば、子どもに野菜を見せながら、「これ、パリパリしてると思う? かむと音がするかな? これに似た味をなにか知ってる? 口のなかがどんな感じ?」と質問する。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 179

これだけ頑張っても、一口も食べてくれないこともあるでしょう。

それはフランスでも同じです。

ですが、諦めずに与え続ければ、そのうちに慣れて食べるようになります。

こうしたゆとりのある対応は、親が疲れていては難しいでしょう。

後述しますが、フランス人のように自分を大切にして、子どもにフラストレーションを与えることも大切だと考えて、ゆる~い育児を心がけてみてはいかがでしょうか?

フラストレーションを与える

食事の時間に関して「いやいや、子どもはそんなに待てないよ」という意見もあるかもしれません。

しかし、フランスでは「待つ」ことを教えることも重要な教育の1つととらえているようです。

子ども自身にフラストレーションの扱い方を学ばせることも重要なんですよ。

フランス人の親は(中略)子どもは、自分を制御できなければ、楽しめるわけがない、と考えているのだ。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 80

つまり、待たせること、フラストレーションを与えることが子どものため、と考えているのですね。

もちろん、長時間待たせるわけではありません。数十秒や数分です。

でも、その短時間でもフラストレーションを扱ういい練習になるのでしょうね。

親の時間も大切

子育てをするとなると、子ども中心の生活となり、自分のことは二の次、と考える母親が多いのではないでしょうか?

これは英米でも同じ傾向のようです。

しかしフランスは違います。子どもがいても自分の時間も楽しみも大切にします。

本書の中には次のような文章もありました。

英米人の女性は、あれこれと心配し、妊娠中からすでに自分を犠牲にすることで、母になる覚悟を示すのが一般的だ。しかし、母になるフランス人女性は、おだやかな雰囲気をかもしだし、楽しみを捨てないことを誇示している。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 33

フランスでは、子どもがいる場合、魅力的な女性であり母親、という2つの顔を持っているようですね。

とはいえ、この考え方から「産後は3カ月くらいで体型を元に戻すべという価値観や「母乳はセクシーでないから、ミルク育児がいい」という価値観もあるようです…。

なお、自分を犠牲にするようなことをしていませんが、健康には問題がないようです。

フランスは、母親と赤ちゃんの健康について、ほぼすべての項目で、アメリカとイギリスに勝っている。

Pamela Druckerman. フランスの子どもは夜泣きをしない. 集英社, 2014, 37

今の日本では「母親だけど、子どもは預けて自分の時間を大切にしている!」というと、反対されることもあるのかな?と思います。

実際にどうかは当事者になってみないとわかりませんが…そう感じてしまいます。

そんな社会だからこそ、子育てがしづらいと感じてしまうのかもしれませんね。

子どもがいても、あなたはあなたの時間を大切にしていいのです!

誰になんと言われようとも、フランスでは当たり前のことなのですから、堂々としていてもいいと思いますよ。

まとめ

今回はフランスの子育てについて書いた本を読み、感銘を受けたのでまとめてみました。

日本では常識となっていることも、フランスでは非常識なのかもしれませんね。

どちらの子育てがいいというわけではなく、色々な子育て方法があることを知って、気楽に子育てできたらいいな、と思ってまとめてみました。

赤ちゃんの個性もありますから、うまくいかないこともあるでしょう。

子どもも大切ですが、あなた自身も大切な人ですから、自分をいたわって楽しい時間を子どもと過ごしてくださいね。

おまけ

日本の子育てで苦しむ母親が多い理由を、科学的に調べた本です。

現代の子育て方法では、苦しみやすい環境になっていますので、ぜひ苦しくない子育て方法を知って取り入れてみてください。

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