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※本記事は投資を推奨するものではありません。投資にはリスクがあります。自己責任で検討してください。
最近の日本は老後2000万問題以降、老後のお金を心配する人が増えたり、お金のために何か、例えば結婚や子供を諦める人も多いと聞きますね。
とはいえ、我慢に我慢を重ねる人生も辛いのではないでしょうか?
我慢してそこそこの老後は送れそうだけど、ただ生きるために生きているだけ、そんな人生は嫌ではありませんか?
本書は、未来のことが不安で今を楽しめない人に向けた本になります。
もし未来の不安で今諦めてばかりの人は、ぜひ本書で真逆の考え方を学んでみてください。
概要
本書は2020年9月にダイヤモンド社さんから出版され、現在25万部(紙、電子合わせて)を超える人気の本です。
2023年11月14日現在、Amazonのレビューでも3515件のレビューで星4.4を取得しています。
ページ数は300ページもなく、厚さも2.5cmと一般的な本のサイズでしょう。
経験談などが中心に書かれているため、難しいことを考えることが苦手な人でも読みやすいと思います。
ただし、アメリカの福利厚生をベースに考えていますので、その点は日本では真似できませんね。
この本を読んで思ったこと
信じすぎるのは危険
アメリカで書かれている本
著者はアメリカ在住です。
本書を読んでいると、アメリカには国民年金のような制度がなく、介護保険のような制度もなく、公的な医療保険もないと感じました。
ですから、この部分に備えるために保険などを薦めています。
しかし、日本はどうでしょうか?
ほとんどの人はまじめに年金の掛け金を支払い、介護保険料も支払い、社会保険料も支払っていますよね?
つまり、この部分に関しては人によっては保険は不要かもしれません。
他人の意見を聞いて動ける人、それは素晴らしいことだと思いますが、今回は前提が違いますので、一度あなた自信でしっかりと考えてみてくださいね。
困難に立ち向かう力が弱い人には危険な考え方
本書内で、少なくとも私は辞めたほうがいい、と思うお話もありました。
例えば、「借金してでも絶対にすべきこと」という章に書かれているエピソードを紹介します。
20代前半の頃、ルームメイトだったジェイソン・ルッフォ(中略)が、3カ月仕事を休んでヨーロッパへのバックパック旅行に行くと言い出した。(中略)
旅行資金を工面するために、高利貸しから1万ドルを借金した。
ビル・パーキンス. DIE WITH ZERO. ダイヤモンド社, 2020, p.40
あなたはどう思いますか?高利貸し、と言えば日本ではノンバンクや闇金などでしょうか。
そして1万ドル、現在のように1ドル150円の場合、150万円です。
ジェイソンの年収は1万8000ドル、つまり年収の半分以上の借金をして旅行に行きました。
結局、ジェイソンは問題なくお金を返せたようなので良かったのかもしれません。
もしくは、お金が返せなくて辛い目にあっても「ま、いいか」と思える考え方の持ち主だったのかもしれません。
しかし、若いうちに海外で過ごしたいのであれば、ワーキングホリデーなどでお金を稼ぎながら、という方法もあるでしょう。
期間も3カ月でなくとも、1週間や1か月の期間でもよかったのではないでしょうか?
そもそも、あなたはこんな借金を抱えた旅行で楽しめるような強い精神の持ち主でしょうか?
何か困難があってもめげない精神の持ち主の方は、実践してみてもいいかもしれません。
そこまで精神は強くないよ、という方は、参考にしつつも、あなたにとって心地のいいお金の使い方を検討してくださいね。
人生プランを立てよう
葬式でどんな言葉をかけられたい?
あなたが満足のいく人生を送っているかは、葬式の時にかけられたい言葉と、今の行動が同じか、で判断することができるかもしれません。
本書でも簡単に触れられていましたが、全世界4000万部を突破した「7つの習慣」にもこのような文章が載っています。
あなたの葬儀だ。ここにいる人々は、生前のあなたに対する敬意、愛、感謝の気持ちを表しに来ているのである。(中略)
あなたは、彼らに自分がどのような人物だったのかを見てほしかったのか。どういう貢献や功績を憶えておいてほしいのか。
スティーブン・R・コヴィー. 完訳 7つの習慣 人格主義の回復. キングベアー出版, 2013, p.116-117
親から、友達から、同僚から、どのように言ってもらいたいですか?
パートナーやお子さんがいるのであれば、どのように思われたいですか?
この時にかけてほしい言葉が「仕事で頑張っていた」ということであれば、今の仕事を頑張ることがあなたの望みなのかもしれません。
「遊んでいて楽しかった」「一緒にご飯を食べるだけで幸せになれた」などであれば、他の人と遊ぶ時間やご飯を食べる時間を増やした方が幸せを感じられるかもしれません。
ぜひ、あなたにとって大切な価値観はなんなのか、考えてみてくださいね。
必要なお金は人それぞれ
老後2000万円問題では、まるで全員が2000万円準備しなければいけない、と錯覚しませんでしたか?
しかし、実際に必要なお金は個々人で大きく異なってくるでしょう。
例えば、老後に持ち家でひっそりと暮らす方もいれば、ケア付きマンションに住みかえたり、豪華な老人ホームに入りたい人もいるでしょう。
教育費だって、子供を私立に進学させるか公立に進学させるか、でも変わります。
国の補助金が使えるのか使えないのか、でも変わりますし、大学に行くか行かないか、でも変わります。
一般的でない考え方としては、高卒でワーキングホリデーに行ってお金を貯め、その後貯めたお金と奨学金で日本の大学に入る、などもできるでしょう。
幸か不幸か、マクドナルドのビックマック指数からもわかるとおり、日本よりも物価が高く、基準賃金が高い国はそれなりにあります。
そういった国で働けば、お金も稼げて異文化交流もできて、語学練習にもなる、いいことづくめでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか?
あなたの人生を生きる
さて、葬式でかけられたい言葉から、あなたがどんな人でありたいか、なんとなく考えられましたか?
また、どれくらいのお金が必要かは人それぞれであり、世間で言われているデータはあなたには当てはまらない可能性があることも理解いただけましたか?
それでは、いよいよあなたらしい人生を考えてみましょう。
まずはあなたが人生で何をしたいか、バケットリストを作ってみませんか?
お金のことは考えず、ひたすらにやりたいことを書きだしてみてください。
その後、それをいつやるか、を入れてタイムバケットを作ってみましょう。
全部出来上がってから、数年先のお金のことまで考えてみましょう。
それ以上先は、私は考える必要がないと思っています。
なぜなら…今のあなたは10年前、20年前に想像した通りのあなたですか?
おそらく、10年前、20年前の予想通りではないでしょう。
未来のことはわかりませんので、あなたのやりたいことをやるためにはどうしたらいいか、そう考えながら行動したら、10年後、20年後は今からは想像もできないことになっていると思いますよ。
投資やお金の勉強をしよう
「3%で資産を運用」…どうやって?
本書はお金のことを軽視しているわけではありません。
ですからやはり投資でお金を増やすという話も出てきます。
「安全性が高い場合は年利3%くらい」や「年利5~7%は期待できるファンド」などの言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、1度よく考えてみてください。
「安全性を高く年利3%のリターンを期待できる」のは、どういう投資をしたときでしょうか?
最近は日本国債の金利も上がってきたとはいえ、2023年11月に予約できる日本国債は、一番金利が高い変動10年でも0.6%(税引き前)です。
銀行の預金口座は0.001~0.2%くらいの金利でしょう。
米国国債は、たしかに年利4%以上のものもありますが、為替の変動がありますから、思った通りに増えるかはわかりません。
例えば、1ドル150円のときに買っても、満期には1ドル100円とかの可能性もあります。
ドル換算では増えますが、日本円換算ではだいぶ減ってしまいますね…。
株式などを組み入れれば、年利は上がりますが、右肩上がりで増えていくわけではありません。
あなたが「今年100万円使うぞ」と思ったときに、リーマンショックやコロナショックのようなことが起きて、投資金額が半分くらいになってしまうかもしれません。
投資で増やす、というのは「言うは易く行うは難し」の代表かもしれません。
どれくらいのリターンを狙うのか、使いたいときに金額が減っていたらどうするのか、
あなた自身で勉強して、納得のいく投資方法を見つけてくださいね。
ファイナンシャルプランナー(FP)は信頼できる?
勉強が苦手だからそこは人の手を借りよう、お金の専門家であるFPに相談しよう、と考える人もいるでしょう。
まず気を付けてほしいのは「そのFPは信頼できるFPですか?」ということです。
住宅購入時、保険契約時に無料でFPに相談できる、ということもあるでしょう。
しかし、無料で相談できる場合、そのFPはどうやって給料をもらっているのでしょうか?
おそらく「購入した住宅金額の〇%」や「この保険を契約したらいくら」だと思います。
あなたがお金を欲するのと同じように、相談しているFPもお金を欲しているでしょう。
その場合、どういう方向に話が流れていくかは…想像できるのではないでしょうか。
お金を払って相談したとしても、そのFPがプラスαでこういった収入を得たいと思っていれば…
このように、相談したFPが信頼できるかどうかを見分けられる目は必要でしょう。
加えて、FPの提示する計画はあなたが実行可能で、
かつ幸せを感じられるプランでしょうか?
例えば「投資で年利3%を見込めるので」と言われて、どうしたらいいか考えられますか?
「平均に比べて食費が高いので、下げましょう」と言われたとき、あなたの幸福度は下がりませんか?
あなたのことを一番よくわかっているのは、あなた自身でしょう。
少し大変でも、お金の勉強に関してはあなた自身でやるのが一番だと思います。
その労働は「ただ働き」かも?
お金のために労働を頑張っているのに、実はその労働は「ただ働き」だったとしたらどうしますか?
お金を集めることは、あなたの不安を解消してくれるかもしれません。
しかし、旅行に行ったり、買い物をしたり、そのお金を使わなければ幸せは感じられないのではないでしょうか?
死ぬときに1000万無意味に残っていた場合、その1000万を稼ぐために使った時間は無駄ではありませんか?
結果論ではありますが、なくても困らなかったお金なのですから。
(※死後の寄付や遺贈に著者は反対派です。私はその考えに賛成はしませんが、なるほどなとも思いました。)
使わないお金のために今を我慢して働くのではなく、今も今後も楽しい働き方のバランスを見つけられたら最高ですね。
まとめ
本書は未来の不安のために今を我慢しすぎてしまう人に向けた本です。
著者の意見に納得できる点もあれば、私には合わないな、と感じる意見もありました。
ただ、我慢ばかりの人生は苦しいと思いますので、こんな考え方もあるんだな、違う考え方を学ぶいいきっかけになる本でした。
「おまけ」として、お金を使わずに幸せに暮らしている人たちの本も紹介しておきます。
お金はあくまで人生を良くするための道具の一つにすぎません。
あなたにとって心地よいお金との付き合い方を見つける手助けができれば、私は嬉しいです。
おまけ:こちらもオススメ
さらに深く学びたいなら…「7つの習慣」を読もう
こちらは500ページ越え、厚さも3cmを超えますし、文字のサイズやページ内の余白もDIE WITH ZEROに比べて少なくなっています。
そのため、本を読む習慣がない人には少々読みづらい本になっていると思います。
漫画で解説しているものや、子供向けにしたものなど、本書をもとに読みやすくしてある本もありますので、そちらから入っていただくと読みやすいかもしれません。
とはいえ「どう生きると幸せを感じられるのだろうか」ということを考えるには最適な本です。
ぜひ一度手に取っていただきたいと思います。
お金を使わずに生きる20代男性の話
29歳の著者が、2008年から2009年にかけての1年間、イギリスでお金を使わずに生活してみた記録です。
お金を使わずに生きても「豊かに暮らせる」ことを証明しようとした実験記録です。
実際著者はお金を使わない生活に満足し、1年以上続けたいと感じたようですよ。
著者の生活があなたにとって「豊かな暮らし」になるのかはわかりません。
しかし、お金がないと生活ができない、という先入観を取り払ってくれる本になると思いますよ。
お金を使わずに生きる女性老人の話
先に紹介した本は「若者、男性」でした。「老人や女性では違う!」という意見もあるでしょう。
こちらは1996年頃からお金を使わない生活を(たしかドイツで)4年間ほど続けた女性老人の話です。
その生活があったため、お金とのちょうどいい距離感もつかめたようですよ。
著者の生活も参考に、あなたにとって必要なお金はどのくらいなのか、どんな生活が幸せなのか、
今が苦しいのであれば、ぜひ見直してみてくださいね。
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