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投資をするときって、暴落が怖いんだけど、知る方法はあるのかな?
金利を見ていると、比較的予想がしやすいようよ。
この本で金利について学んでみたらどうかしら?
最近は「投資でお金を増やす」という内容の本を良く見ますよね。
しかし、お金が増えるときもあれば減るときもあるのが投資です。
お金を増やすために投資をしているのであれば、お金が減るときの影響はなるべく回避したいですよね?
そのタイミングを調べるための指標として著者が目を付けたのが金利です。
金利を学ぶことで、より効率的に投資でお金を増やすことができるかもしれませんよ。
※投資は自己責任です。また、余剰資金で行いましょう。予想が外れても責任はとれません。
概要
本書は債権運用歴30年以上で、ファンドマネージャーや投資顧問をされた経験のある堀井正孝(ほりい・まさたか)さんが書かれています。
2022年に株式会社クロスメディア・パブリッシングさんから発行され、株式会社インプレスさんから発売されています。
ファンドマネージャーと言えば、多くの方のお金を集めて、先の景気を予測して投資を行う方ですね。
そのような経験のある方が意識していること、と聞けば、一読の価値はある本かな、と思います。
実際、私にはとても役立ちました。
この本を読んで考えたこと
景気は金利で予測できる
基本的に金利は、景気が底を打つと上がりはじめ、景気がピークを迎えたら下がり始めます。
実際にアメリカの長期金利はリーマンショックの1年前に金利は下がり始めていたようです。
コロナショックの前も、2018年11月ころから長期金利が低下し始めていたんです。
こう見ると、アメリカの景気が悪くなるのは、長期金利が下がり始めた1年後くらい、と考えられそうですね。
これはすべてに当てはまるのでしょうか?
少し前の日本では景気回復局面においても10年国債利回りが低下していました。
景気が回復している間は金利は上がるはずですから、逆の動きをしていますね。
この場合は、政策金利を考慮して考えると、上がっているように見えるらしいですよ。
目安にはなりそうですが、金利の情報を使いこなすまでには学ぶことが多そうですね。
予測に使う金利
本書では、次の3つの金利を使って、先の景気の予想をしていました。
し、
をさし、です。
短期金利(政策金利)
厳密には短期金利=政策金利ではありません。
一般的に短期金利は1年未満の金融資産の金利を言い、政策金利は短期金利の1つです。
しかし、本書で短期金利と言ったら、政策金利のこと、と考えてください。
この金利によって、住宅ローンの変動金利が変化したりします(※例外もあり)。
長期金利が動いた1年後くらいに、後を追うように動きます。
長期金利(10年国債利回り)
短期金利同様、長期金利=10年国債利回りでもありません。
一般的に長期金利は1年以上の金融資産の金利を言い、10年国債利回りはその1つです。
しかし、本書で長期金利と言ったら、10年国債利回りのこと、と考えてください。
この金利によって、住宅ローンの固定金利が変化したりします(※例外もあり)。
短期金利よりも早く動きはじめます。
社債利回り
社債は、企業が発行する債券です。ちなみに、国債は国が発行する債券です。
国と企業、どちらが返済できなくなる可能性が高いか、と聞かれれば、多くの場合は企業でしょう。
ですから、一般的に国債利回りよりも金利が高くなっています。
リスクが高いほうが、金利は上がるんですね。
景気のサイクル
景気には主に3つのサイクルがあります。
この3つのサイクルがすべて悪い時が大きな危機になるようですね。
つまり、大きな危機は10年に1回はやってくる、と覚悟して対策をしておくことが重要でしょう。
1周10年の信用サイクル
これは「10年社債利回り」ー「10年国債利回り」で推測します。
景気が良ければ銀行がお金を貸してくれますから、社債利回りは低くて済むんですね。
ですが、銀行から無限にお金が借りれるわけではありませんよね。
また、景気が悪くなって返せない企業が増えたら、気軽にお金は貸したくありませんよね。
ですから、景気が悪くなりそう、悪い状態、ではこの値は大きくなります。
逆に、この値が小さくなっていく場合は、景気が良くなっていきそう、というときです。
1周5年の金融政策サイクル
このサイクルは政策金利(短期金利)の推移でみます。
景気がいい時は、インフレが進みすぎないように金利をあげます。
逆に景気が悪い時は、市場にお金が回るように金利を下げます。
つまり、金利が上がり始めたら景気が下がり始めるサイン、金利が下がり始めたら景気が上がり始めるサイン、ということでしょう。
住宅ローンの変動金利は、この短期金利を参考にしているものが多いようですから、
住宅ローンの変動金利を見ていれば景気の動向がわかるかもしれませんね。
1周2.5年の在庫サイクル
これは市場に出回る製品等で感じることができます。
品薄状態では、企業は生産量をあげようとしますよね。そしてどこかで需要と供給が一致します。
そのあとは過剰生産になってしまうので、生産量を下げますね。
そうするとまた品薄となる、というようなサイクルです。
セールが増えてきたら、景気後退のサイン、品薄になってきたら景気拡大のサイン、となります。
サイクルがそろうと厳しい
以上のように、大きく3つのサイクルがあります。
そして、すべて2.5で割れてしまうので、すべての不況が同時に発生することがあります。
それが10年に1度の大不況となるのですね。
街中を歩くだけで見かける、住宅ローンの変動金利を参考にするのが、一番気づきやすいかな?と思いました。
もしくは、2020年頃に谷が来たので、次は2030年頃だな、と考えておくのもいいかもしれませんね。
投資に活かすために
景気がいい時、悪い時に儲かる投資手法というのは違います。
著者は、だいたい次のものが収益性が高いと言っていますよ。
景気を先読みして、収益性が高い物を仕込んでおくと、投資でいい成績を収めることができそうですね。
ただし、鵜呑みにするのではなく、きちんとあなた自信の価値観・判断でいいと思うかどうか判断して行動してください。
投資は自己責任ですから。
長短金利差※ | 金融商品 | 債券 | 株式 | |
---|---|---|---|---|
景気回復時期 | 拡大 | 先進国株式 | HY社債、新興国債 | ハイテク |
景気過熱期 (※株価ピーク) | 縮小 | 新興国株式 | 豪ドル債 | 素材 |
景気減速期 | 縮小 | 債券 | 先進国外債 | 公益・医薬品 |
景気後退期 | 拡大 | REIT | 国内債 | 銀行・小売 |
※長短金利差=「長期金利」ー「短期金利」
景気がいい時に値上がりするものだけでなく、バランスのいいポートフォリオを作成したいですね。
まとめ
最近は米国が金利を上げてますし、株の値段もどんどん上がっています。
このまま株価が上がり続けてくれればありがたいのですが、歴史的にはそうはならないでしょう。
来るべき不況で大損をしないように、ぜひ本書を読んで対策を考えてください。
今回紹介した内容以外にも「どうして金利の低い日本国債が、海外投資家に買われるのか?」など、
興味深い話がたくさん載っていますよ。
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