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やっぱり第2の人生は独立したい!
講師とか、人に教える仕事は稼げるかな?
講師なら、セミナー講師よりも研修講師の方がいいかもね。
楽ではなさそうだけど、合えばできそうだよ。
どんな大企業も倒産するこの時代、自分の腕で食べていくことができれば安心できそうですよね。
もしかしたら、あなたのいる場所では「当たり前」のことは、他の場所では当たり前ではなく、強みになるかもしれません。
その強みに気づければ、専門学校などで技術を学ばなくても、あなたの腕で食べていけるかもしれませんよ。
強みを見つけると同時に、どうやって活躍の場を見つけるかも考えなければいけませんね。
そこで今回は、企業に対して研修を行う研修講師になる方法を紹介してくれる本を読んでみました。
あなたの企業で当たり前のスキルは、他の企業が学びたいものかもしれません。
概要
2019年に同文舘出版株式会社さんから出版された本です。
著書はビジネスメンタリスト(※この肩書は商標登録されたそうです)の白戸三四郎さんです。
彼は大手保険会社で20年間勤めたのち、2013年に独立起業して講師となりました。
研修講師になるまでの失敗談や、セミナー講師など他の仕事をやってみた感想も書かれています。
仕事内容やある研修講師の日常など、研修講師の生活が目に浮かぶくらい、しっかりと学べる本でした。
この本から学んだこと
研修とセミナーの違い
本書内での言葉の定義
まず本書では「研修講師」と「セミナー講師」を以下のように定義しています。
本書ではわかりやすくするために「セミナー」は講師や団体が主催し、受講者がお金を払って自発的に参加する学びの場、「研修」は企業が主催し、業務の一環として社員を集めて行われる課題解決を目的とした場、という意味で書いていきます
白戸三四郎.誰も教えてくれなかった超人気講師になる法.同文舘出版,2019,38
本書の定義と一般的な定義は違いますから、そこは注意してくださいね。これはわかりやすくするため、です。
では、次に研修とセミナーの違いについて具体的に見ていきます。
2つの違い
研修とセミナーの違いで最も大きいものは、参加者の参加意欲でしょう。
セミナーは本人が参加したいと思って参加するため、参会者は講師の話を聞こうとしてくれます。
その一方で、研修は「仕事だから」という諦めの気持ちで参加している人や、忙しい中研修に参加させられてイラついている人も多いでしょう。
もちろん、研修を息抜きとして楽しみにしている人もいますが、ごく少数でしょう。
ですからこの場合、企業の研修ではこの参加者のマイナスの雰囲気をどうにかすることからスタートしなければいけません。
うまくやれなければ、アンケートにマイナスの評価を書かれ、次回は声をかけてもらえないでしょう。
セミナー講師でうまくできていた場合、安定を求めて企業研修講師を目指したとしても、この参加者の熱量の差は、覚悟できていないと心が折れそうですね。(※企業研修講師はリピート率が高い)
他にも主催者の違いや受講生の違い、目的の違いなどもありますから、セミナー講師と同じではない、という認識はもつべきと考えられます。
研修講師が覚悟すべきこと
研修講師が覚悟するのはざっと次の3つであると、本書から考えました。
・移動が多い
・体調不良になれない
・金銭的に安定しない
では一つずつ見ていきます。
移動が多い
これは本書の第6章で書かれていた「ある研修講師の日常」で気づいたことですが、研修講師は移動が多いです。
企業に呼ばれたら、日本全国どこでも行きます。
名古屋で講師をし、翌日は東京、その2日後には九州、なんてスケジュールもあり得そうです。
観光旅行ができると思われるかもしれませんが、実際は翌日の研修が気になってあまり楽しめないようですよ。
移動中を有意義に使うために、読書などでインプットされているとありましたから、読書などが好きな人の方が向いているでしょう。
体調不良になれない
体調不良にならない人が研修講師を行っているのか、研修講師を行っていると体調不良になりにくいのかはわかりません。
いずれにしても、講師の体調不良で研修がなくなる、ということはほとんど起きないそうです。
さて、あなたは体が強いほうでしょうか?
本当に研修講師は体調不良になりにくいのであれば、健康状態に関係なく目指せるでしょう。
しかし前述したように移動が多い生活で、なかなか体への負担も大きそうな仕事です。
体調不良になりやすい人は早々に辞めて、体調不良になりにくい人のみが残っているということであれば、体調に不安を感じる人は辞めておくのが無難かもしれません。
金銭的に安定しない
1回研修を行う場合、手取りとしてはだいたい10万円程度、と書かれています。
それよりも低い場合もありますし、ベテランはもっと高い人もいます。
また、研修の長さによっても金額を変えている人もいます。
1年間の研修の数は、著者の経験談では1年目は40研修、2年目は60研修、3年目以降は80~100研修程度、限界は1年に150研修程度、ということです。
つまり収入が400万~1500万、ということですね。
ただし、研修先への移動に新幹線のグリーン席を使えば、普通席との差額分は自腹になりますし、災害などで移動にタクシーを使えば、タクシー代は自腹になります。
これらの経費に加え、この金額から所得税などもひかれますから、手取りとしてはもっと下がるでしょう。
加えて、単価を上げる場合にも注意が必要です。
一方的に「単価を〇万円上げます」などとやると、仕事をもらえなくなってしまうのですね。
1500万円稼げる、と考えれば夢がありますが、逆に経費や税金を引く前の金額が400万円と考えると、楽な生活はできないかもしれません。
さらに、忙しい月と暇な月、などがありますから、収入も安定していません。
お金の管理ができる人でないと、独立してやっていくのは大変だと感じました。
研修講師の意外な事実
ここからは、本書を読んで驚いた研修講師の意外な事実を紹介していきます。
・講師名は本名でなくてもいい
・コンテンツは作らなくてもいい
・仕事はエージェントに探してもらう
・オーディションに受かって仕事をもらう場合もある
・一人でも株式会社を作っている
では順番に見ていきます。
講師名は本名でなくてもいい
著者は本名で活動をされているそうですが、珍しいお名前のため「本名ですか?」と確認をされたようです。
確認は研修を行う企業に赴いたときだったそうですので、その企業で研修を行うことは決まっています。
「研修講師は本名でなくてもいいのだ」とわかるエピソードですね。
実際、著者の講師仲間にもビジネスネームでお仕事をされている方が大勢いらっしゃるそうですよ。
自分の本名をさらすことに抵抗がある人も安心して仕事ができますね。
コンテンツは作らなくてもいい
研修講師の使用するスライドなどのコンテンツは、ご自身で作っているものだと思っていました。
しかし実際は、自分自身でコンテンツを作っている講師は少数派だそうです。
多くの講師は研修会社や研修エージェントが用意したコンテンツを利用したり、コンテンツ制作者などから使用許諾を受けたものを使っています。
ただし、やはり自分自身でコンテンツを作れた方が、できる研修の幅が広がりますから、最終的にはあなた自身で作れるようになりたいですね。
仕事はエージェントに探してもらう
独立した場合、多くは自分自身で営業を行いお客様を見つけなければいけません。
けれども研修講師の場合は、逆に自分で営業をしない方がいい職種です。
転職するときは転職エージェントに登録するように、研修講師は研修エージェントに登録します。
研修エージェントに仕事を探してもらい、その仕事を受注するのですね。
ですから研修エージェントの担当者に好いてもらえる人間性がないと仕事をもらえません。
人間には相性がありますから、たまたま相性が悪い人が担当者になってしまったら…と考えると、なかなかリスクの高い職種ですね。
オーディションに受かって仕事をもらう場合もある
本書ではあまり取り上げられていませんでしたが、研修講師を決めるオーディションのようなものもあるようです。
実力があれば、研修エージェントを通さなくても仕事を受注することができるかもしれません。
俳優や女優以外にもオーディションで決まる仕事があるんですね。
興味があれば調べてみてください。
一人でも株式会社を作っている
研修を行うのは会社です。ですから、やっぱり会社と会社のやり取りを好む会社も多いそうですよ。
私自身、研修講師が「○○会社代表取締役」という肩書を持っている人と、肩書のない人であればやっぱり肩書がある人の方が安心ですね。
また他にも、会社が国などの行政に提出する書類の観点からも、企業の方が好まれると、こちらの記事で紹介している本に書かれていました。うろ覚えですが…。
研修講師になるための実績づくり
研修講師として研修エージェントに登録しても、この人を企業に紹介しよう、と思ってもらえなければ仕事がもらえませんよね。
企業も、実際にこの人の研修は社員に適するのか、事前に把握したいと考えますよね。
ですからプロフィールに書けるような実績をつくり、企業の担当者にアピールするための手法についてまとめます。
YouTubeで発信する
やはり研修のイメージをつかんでもらうのであれば、実際に講義を行っているところを見てもらうのがいいかもしれません。
本書では研修は参加型を薦めていますから、YouTubeでは再現が難しい部分もあるかもしれませんが。
無料で公開できますし、場合によっては副収入にもなりますから、アピールの場としてはちょうどいいのではないでしょうか?
このようなプラットフォームがある時代に生きていられて、ありがたいな、と感じました。
ブログ・書籍出版をする
YouTube以外にも、ブログや書籍でアピールする方法もあるでしょう。
書籍出版は、出版社からと考えるとハードルが高いかもしれませんから、Amazon出版(KDP: Amazonダイレクトパブリッシング)などを考えるといいですね。
ブログは、Googleアドセンスに登録すれば収入となるかもしれませんし、KDPも売れれば収入となりますね。
一石二鳥の手法と言えるでしょう。
勉強会を主催する
やはり人前で話すという経験はしておきたいですよね。
その場合は会社の同僚を集めて勉強会を開催したり、Meetupなどのイベント開催サイトでイベントを主催してみてはいかがでしょうか。
参加費無料としてカフェなどで開催すれば、会場の費用もかかりませんし、ほとんどリスクなくできそうですね。
セミナーを主催する
勉強会で慣れてきたら、次はセミナーの主催でしょうか。
ここで言うセミナーは、セミナー会場などを借りて講演するイメージですから、会場代などの費用が掛かります。
入場料を取ってその費用を賄えなければ、数万単位で赤字になってしまうことが考えられますね。
YouTubeやブログをやっていれば、その登録者数や読者数などから参加者数を見積もることができるでしょう。
企業研修会社に就職する
手っ取り早く研修の実績を積むのであれば、企業に研修と提供している会社に転職することも一つの手でしょう。
コンテンツも使わせてもらえるでしょうし、初めての場合にはいいかもしれませんね。
ただしその分給料等は、個人でやっているよりも実入りが少なくなるでしょうね。
全体を通してのオススメ理由
本書では研修講師として身に着けておいた方がいいスキルが書かれていたり、研修講師として求められるテーマなどが細かく書かれています。
企業に対する研修が目指すべきゴールや、研修講師としての心構え(研修講師はサービス業)など、基本的な部分も書かれています。
実際の研修講師の日常が書かれているため、実際になった後のイメージもしっかりとできました。
これ1冊で、なり方から自分ができそうかどうかも判断ができそうでしたよ。
まとめ
今回は「研修講師って何?」という人でも、実際に研修講師になるためにはどうしたらいいのか、どうやって仕事を取るか、などのイメージがつきやすい1冊を紹介しました。
研修企業側の都合で日本全国を飛び回らないといけませんし、研修エージェントや研修企業の担当者さんに好かれるという、人間力も求められます。
独立したらもっと自由なイメージでしたが、研修講師はある程度しがらみも大きそうですね。
この職種があなたに合っているか、本書を読んで考えてみてくださいね。
参考
中小企業診断士としての独立
講師として独立する場合、「中小企業診断士」の肩書を取得する人たちも多いそうです。
著者はこういった資格は取得されていないようなので、資格の有無と講師の仕事をもらうことは関係なさそうですがね。
興味があれば、こちらの記事も読んでみてください。
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