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DXって何?
DXは「デジタル・トランスフォーメーション」のことで、
今後生き残っていくために必要とされていることだよ。
「現在の仕事をデジタル化して生産性をあげよう」というような考え方は聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、実際に今後生き残るためにDXを本気で進めようとすると、簡単には成功しません。
本書では、そんなDXを成功させている企業の紹介や、どうやって成功させるか、という問題はもちろん、
今後求められる人材となるために必要なことなども合わせて教えてくれますよ。
まだ定年まで10年以上ある、という方は、今後を生き残るために読んでみても損はないでしょう。
概要
本書は2021年8月に日本経済新聞出版さんから紙の本として刊行されました。今は電子書籍も出ており、私は電子書籍で読みました。
マッキンゼーに関係する次の7人が協力して書かれた本です。
黒川 通彦(くろかわ・みちひこ)さん…はじめに、第4章、第5章、コラム担当。
平山 智晴(ひらやま・ともはる)さん…第1章、第4章
松本 拓也(まつもと・たくや)さん…第1章、第4章
片山 博順(かたやま・ひろゆき)さん…第2章、第3章
坂本 貴則(さかもと・たかのり)さん…第4章
Lari Hämäläinen(ラリ・ハマライネン)さん…コラム
岩谷 直幸(いわたに・なおゆき)さん…おわりに
きっと、各々の得意分野を執筆していたのでしょうね。非常に読み応えのある本でした。
この本を読んで考えたこと
DXとは何か
まずDX(デジタル・トランスフォーメーション)の本質について、本書はこう言っています。
マッキンゼーが考えるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の本質は、企業文化変革である」
黒川通彦.マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX.日本BP,日本経済新聞出版本部,2021,2
この一言から、DXを行うことがいかに大変か、想像できた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
文化を変える、なんて非常に大きな変更ですよね。
例えば毎朝朝食にご飯を食べている人が、いきなり「明日から朝食はパンだ」と言われたらショックを受けるでしょう。
しかもパンの方が腹持ちが悪く、昼食までの間にお腹がすいて、普段通りの実力が出せないかもしれません。
同様に、企業が今まで行ってきた文化を変えるということは、慣れないことを行うわけですから失敗も増えるでしょう。
また、その企業の文化が好きであれば、好きなものをいきなり否定されることにもなります。
自分が好きなものをわけもなく否定されたら辛いですよね。
このように、失敗は増えるし、反感を買うようなことを進めるとなると、簡単にはいきません。
変えていくのに時間もかかりますから、10年後にリーダーとなるような人が推し進めていくと良さそうですね。
自分はリーダーになれる自信がないけど、でも会社を良くしたいと思う人は、記事末で紹介しているこちらの記事で紹介している本も読んでみてください。
求められるものと課題
昔ながらの組織であったり、大きな組織であったりすればするほど、組織の文化を変えることは難しくなりますね。
この時に大切なこと、大切な順番として、本書は次のように言っています。
組織文化の変革を行う際に大事なこととして、マインドセットを変える、スキルを変える、プロセスを変えるという3点があります
黒川通彦ら他.マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX.日本BP,日本経済新聞出版本部,2021,184
最初に人の心を変えて、行動を変えて、やり方を変える、ということですね。
心が変わる、つまり考え方が変われば行動は変わりますよね。
例えばどこかの大学に受かりたい、と自発的に考えれば勉強もするでしょう。
健康のためにバランスよく食べたいと考えれば、栄養の勉強もするでしょう。
ですから、会社が今後向かいたい方向を従業員と共有し、従業員が納得すれば自発的に勉強してくれるのではないでしょうか。
新しい知識を学べば、もしかしたら古いやり方は逆にやりにくくなるかもしれませんね。
例えば、メールで資料を送れるようになったら、FAXでいちいち送るのは面倒に感じるでしょう。
そうしてプロセスも変わっていく、と考えると、この順番は納得ですね。
実際にマネジメントの父と言われるドラッガーも「新しいことを始めるタイミング」があると言っています。
マインドセット、スキル、プロセスの順で「新しいことを始めるタイミング」を作れば、企業文化の変革という難しいこともできるかもしれませんね。
求められる人物像
ここまででDXとは何か、どう進めるか、について書きました。
では、実際にどのような人物がこれからの世界で重宝されるのでしょうか?本書では次のように言われています。
組織を超えて人々を巻き込むことができる「巻き込み力」のある人です。
黒川通彦ら他.マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX.日本BP,日本経済新聞出版本部,2021,70
今までの企業の文化と違うことをするのですから、会社の人だけでは難しいかもしれませんよね。
ずっとご飯を食べてきた人は、ご飯の炊き方はわかるかもしれませんが、パンの焼き方は知らないでしょう。
文化が変わって、ご飯を食べるのではなくパンを食べることにしたのであれば、パンを焼ける人の力を借りる必要がありますね。
そう考えると、他者を巻き込む力というのは、はっきりと評価することはできませんが、非常に重要な能力でしょう。
あなたの周りには、あなたが困ったときに助けてくれる人はどれだけいますか?
困ったときに助けてくれる人を作れる人、というのが今後の社会では活躍するのでしょう。
もちろん、自分自身のスキルを上げていくことも必要でしょうが、ね。
勉強方法
勉強と言われると、基本的にはカリキュラムを与えられて、テストをパスするために行っているでしょう。
そしてカリキュラムは学校から渡してもらえていました。
しかし、社会人は自分で探して学んでいかなければなりません。
社会人が個人的に勉強するのであれば、JMOOCやgaccoなどが日本語で使えて便利ですよ。
もちろん、YouTubeやUdemyも、講師を選べばとてもいい勉強になるでしょう。
英語ができるのであれば、CourseraやedXもいいかもしれませんね。
Courseraは日本語字幕等で勉強できたりもしますが、参考リンク先などが英語のため、少しハードルが高かったです。
まとめ
仕事のDXを進めよう、と言われていますが、付け焼刃的なデジタル化では今後の社会で生き残るのは難しいでしょう。
DX化を進めるためには企業文化の変革が必要ですが、それは簡単なことではなく、失敗している企業も少なくありません。
しかし、10年後、20年後も生き残りたいのであればDXを進めることは必須です。
本書を読んで、10年後、20年後も生き残れる会社にするためにあなたは何をするのか、どんなスキルを身に着ければいいのか、学んでみてくださいね。
おまけ:こちらもオススメ
リーダーになれる「話し方」
あなたはリーダーになる自信はありますか?
もし「ない」と思うのであれば、いいリーダーになる素質が高いかもしれません!
欠けていると思えば、補おうと勉強しますから、自然といい方向へ向かうものです。
こちらの記事で紹介した本では、理想的なリーダーらしく振舞う方法を教えてくれますよ。
「マネジメント」を楽しく学ぶために
マネジメントをするのであれば、ドラッガーの書いた「マネジメント」の本は読んでおきたいところでしょう。
しかし、あの本は難解ですし、軽い気持ちで読めるものではありませんよね。
そこで、ドラッガーのマネジメントをベースとした小説で、重要なエッセンスだけ学んでみる、というのはどうでしょうか?
こちらの記事では、その小説を紹介していますよ。
DXの具体例
今回の記事では、DXの全体像を学ぶために非常に勉強になる本を紹介しました。
しかし、大局的に書かれた本では、具体例が薄くなりがちですよね。
そこを補うのに最適かな、と思うのが、こちらの記事で紹介している本です。
デジタル化が進んでいる中国が、どのようにデジタルを活用しているのか、変わるまでの苦労はあったのか、を紹介してくれますよ。
どういう方向性に進めばいいのか、イメージを作るのに最適な1冊だと思います。
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