過去にはマインドコントロール(洗脳)されて、自分の子供を餓死させてしまったという、悲しい事件がありましたね。
人はそんな簡単に洗脳されてしまうのでしょうか? 答えは「イエス」です。
洗脳をする方法は確立されていて、実際に長い歴史もあります。
知らぬ間に他者に洗脳されないように、洗脳方法がどのようなものか、本書で学んでおきましょう。
どんな本?
著者、出版年、信頼性など
本書は2012年に単行本として刊行されたものを、新書版として増補・改訂し、2016年に出版された本です。
合計27の本、論文、サイトを参考資料としています。
著者は1960年生まれの精神科医で、研究に従事したり、教授経験があります。
出版社は「文春新書」です。
これらの情報から、本書の信頼性は高いと考えました。
学べること
・マインドコントロール、洗脳の歴史
・洗脳方法
・洗脳されやすい人の特徴
・催眠術によって犯罪を起こしてしまった人の話
・冤罪の記憶を「思い出した」人の話
・マインドコントロールを解く技術
・マインドコントロールを解く方法
こんな あなた にオススメ
・他人に左右されることなく、自分の人生を生きたい人
・大切な人が洗脳されて困っている人
この本を読んで思ったこと
マインドコントロールされやすい人
マインドコントロールされやすい人の特徴は、私の言葉でまとめると、次のようになります。
依存的な性格
物事を信じやすい
劣等感があるが、成功を望む
現在心が弱っている
孤独な環境
(本書3章に詳しく書かれています。)
あなたは当てはまるものがありましたか?
あなたの周りの人、大切な人に当てはまるものがありましたか?
もし当てはまる場合は、環境を変えたり、考え方を変えたりして、洗脳されないように対策をしていくといいかもしれませんね。
人の意志や記憶の脆弱さ
洗脳されると何が起きるのでしょうか?
本書で紹介されていて、私の記憶に残ったのは次の3つのエピソードでした。
1.娘たちに性的虐待をしたという、作り話の記憶を思い出した父親
2.催眠術をかけられ、正しい行為と信じて銀行強盗を行った善人男性の話
3.共産主義を称賛するようになったアメリカ人捕虜
記憶も、自分が正しいと信じることも、思い込みや洗脳によって簡単に変わってしまいます。
自分の記憶すら信じられないとなると、何を信じていいか混乱してしまいそうですね。
現代社会・会社員は洗脳されやすい状況
さて、アメリカ人捕虜を洗脳したり、カルトが信者を洗脳する方法の最初の1歩はなんでしょうか?
それが「環境を整えること」、違う考えを持つ人たちとの交流を制限することですね。
もちろん、現代社会や会社は外部の人との交流を制限はしていません。
しかし、会社員であれば平日は会社の人たちと1日中過ごし、場合によっては土日に一緒に過ごす人も会社関係の人ではありませんか?
加えて、SNSで触れる思想は、自分と近しい考え方を持った人たちではありませんか?
ですから現代社会は、意識的に違う考えを持つ人たちと交流をするようにしないと、制限されているのと同じような環境になってしまうように感じます。
特に残業が多い会社に勤められている方は…と考えてしまいました。
まとめ
あなたの考えを左右する原因や環境は身近にたくさんあります。
知らず知らずのうちに他人にコントロールされないよう、
相手の手の内を知るためにも、本書はオススメです。
おまけ:こちらもオススメ
カルトにハマってしまった人を助けるための本
カルトにハマった人を助けようと自ら乗り込むと、自分もハマってしまう危険性があります。
相談窓口等も掲載されていますから、もし大切な人がカルトにハマってしまったら、
感情的にならずに、本書の指示を実践して、効果的な対処がいいと思います。
カルトやテロを起こす人の心理を教えてくれる漫画
全4巻の漫画です。
カルトが素人をはめる手口、テロリストが人を変えていく手口などを紹介しています。
実際に起きていないことを”記憶”する理由を調べた本
アメリカでは「宇宙人に攫われた」記憶を持つ人も多いようです。
また、前世の記憶を持つ子供の話も聞いたことがありませんか?
そういった記憶を持つ人の分布などを調べることで、
記憶が真実ではない可能性に言及している本です。
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